フリーランス声優である私にとっての仕事とお金

こんにちは、声優ブロガーの幸田夢波(こうだ ゆめは)です。

声優事務所に所属し、声優としてデビューしたのが高校生の時。

それから約8年ほど事務所所属声優として活動し、現在はフリーランスとして声優の仕事をしながらブログ運営をしています。

今や「将来なりたい職業ランキング」の上位に入ってくる声優、という仕事ですが、 声優になりたい人は30万人以上(もっといるかも)なのに、 声優の仕事だけで生計が成り立っている人は300人程しかいない。なんていう話もあるほど…

最近では声優がテレビ出演をして、その仕事ぶりを紹介するような番組も増えましたが、まだまだ声優としての働き方はあまり知られていない部分だと思います。

声優業界のお金事情や、フリーランスとして働く上でのお金の向き合い方について、私なりにお話してみたいと思います。

声優アーティストの生計事情

声優のギャラ、どれくらいか知っていますか?

実は新人のうちは、アニメや吹き替え作品1本で15,000円と金額が決まっています。

例外もありますが、一応相場はこの値段ということになっており、主役でも脇役でもこの値段は変わりません。

つまり同じ新人であれば、主役でめちゃくちゃセリフが多い人と、脇役でたった一言しかセリフがない人でも同じギャラ、ということなんですね。

すごく不思議ですよね笑

ちなみに新人のうちは15,000円、とお話しましたが、これがキャリアを積んでいくと少し価格が上がって、2〜3倍ほどになります。

ただこれも「1本当たりのギャラ」という考え方なので、セリフ量に比例して変わるわけではありません。

アニメ作品の場合は30分尺で1本ですが、1本あたりの収録時間は3時間〜5時間くらいが平均です。

慣れている現場だと2時間くらいで終わることもあります。

それで15,000円なら良い仕事!と思うでしょうか?

でも、実は声優の仕事は収録日だけで完結するわけではないんです。

収録の日にちが決定してから、事前にリハーサル用VTRと台本をもらいます。

それを家で練習して、自分の担当する役がどのタイミングで喋るか、チェックをしてから収録に臨みます。

このチェックの時間は個人差があるものの、主役クラスで喋っていれば当然チェックにもものすごく時間がかかります。

アクションシーンとかがあればアドリブと呼ばれる「<殴る>」「<蹴る>」「<やられる>」みたいな声も入れなくてはいけなかったりして、そういうところも「何秒のところにこれを入れる!」というようにチェックしていかなくてはいけないのでかなり時間がかかります。

さらに、ギャラは15,000円まるまる貰える、というわけではなく、事務所に所属していれば事務所からマージンを引かれて、源泉徴収を引かれて…手元に実際に入ってくるお金は10,000円を切ることもしばしば…(事務所によってマージンの割合が違ったりもしますが)

さらに!なにより仕事を貰うのが難しい!笑

毎日お仕事がある、というわけでは全然なくて、新人のうちはレギュラーが2〜3本くらいあればかなり良い方です。

忙しい有名声優さんとかは1日に2〜3本くらいお仕事されていますけどね笑

いろいろ引かれて実際に貰えるお金が1本あたり10,000円だとしても、週に2〜3本だとしたら月に多くても12万円。

収録はほぼ100%都内のスタジオになるので、東京近郊に住まなくてはいけないことを考えると、とても声優の仕事だけでは生活が成り立たない感じです。

アーティスト活動に関しては料金相場のようなものがしっかりあるわけではなく、契約内容によるところが大きいですが、それでもアーティストデビューできたからといって突然声優の仕事が増えたり、生活が潤おう、というわけでもありません。

出演本数がそれなりに多くなっても、仕事量は毎月違いますから当然仕事が少ない月もあって、アルバイトを辞める決心がつかず、大好きな仕事を続けるためにアルバイトをしていた日々もありました。

仕事をするために仕事をしていた感じです笑

それくらい、声優の仕事だけで生活をしていく、というのは難しいことでした。

事務所所属時代とフリーランスの現在での違い

約8年間事務所に所属をして声優としてお仕事をさせていただいていましたが、

「自分の思いついた仕事に全部挑戦してみたい」という気持ちと「自分でスケジュールを管理して、海外に行く時間を捻出したい」と思って事務所を退所しました。

育てていただき、声優としてキャリアを積ませていただいた事務所には深く感謝しています。

事務所は所属声優を守ってくれる場所で、依頼されるお仕事を事務所側で選別してくれたり、新しいお仕事をする時に事務所に相談をしながら進めて行くことができます。

フリーランスになってから、いかに自分が守られていたのか、ということを思い知らされました笑

中には私のことを考えてくれて「それはちょっと事務所に所属する声優としてできないよ」と事務所のスタッフさんに言われたような仕事もあったりして、そういう仕事に挑戦してみたいと思ったのが一つ、退所の理由です。

後者の「海外に行きたい」というのは、純粋に「自分が知らない世界がたくさんあるのに、このままの生活を続けていたら一生行けないかもしれない」とふと思うことがあり、一回きりの人生だからいろいろな世界を見たい、と思ったのがきっかけでした。

現在はフリーランスとして活動しており、自分が運営している「幸田夢波のブログ」というブログが収益源を兼ねた営業ツールになってくれています。

新しいお仕事の依頼はほとんどこのブログ経由で、声優のお仕事以外にも

  • 声優関連コンテンツの開発のアドバイス
  • 個人様の声優関連コンテンツ制作のお手伝い
  • ブログやメディアへの寄稿
  • インタビュー
  • 声優やボイトレの講師

  • など、今まで関わることのなかったような、想像すらできなかったお仕事を依頼していただいています。

    こういった仕事もきっと事務所に所属していたらできなかったことで、仕事の種類はかなり変わったものの、新しい働き方をさせていただいているなぁと有難く思っています。

    その反面、お断りしなくてはいけない仕事があったり、その基準も自分で設けなくてはいけなかったり、それ以外にも請求書の作成や送付などの事務作業も全て自分一人でやらなくてはいけないフリーランスという働き方に、最初はものすごく戸惑いました笑

    本当に事務所ってすごいです…!

    私にとっての“お金”とは

    事務所退所とともにブログを始めました。

    そのタイミングでだらだらと続けてしまっていたアルバイトも全て辞めました。

    少しでも今までのキャリアを無駄にしないように、と声優業界のことをブログで発信し始め、そのブログも収益化できるように取り組んだところ、今ではブログで比較的安定した収入を得ることができるようになって、それだけじゃなく新しいお仕事までブログが繋げてくれています。

    でもやっぱりフリーランスになったばかりの頃はお金がなくて、貯金を切り崩しながらの生活だったのですが、最終的に貯金残高が数百円!なんてこともありました笑

    ものすごく不安で仕方なかったけれど、それが稼ぐ原動力になったとも言えます。

    スマホケースのデザインをして販売してみたり、オンラインサロンの運営もしたり、と目につく新しいビジネスには全て飛びつきました。

    そしてそれが今の私に繋がっています。

    お金がない時は本当に辛かったし、お金はやっぱりあった方がいい、と思うけど、お金がないことが言動力にもなったし、Suicaに数百円単位でしかチャージできなかった貧乏生活にも意味があったと感じています笑

    フリーランスになってからは頑張ったら頑張っただけ稼げる、というのもあって、お金はすごくわかりやすく、自分が頑張った指標にもなるなと思います。

    「数字として目に見える形で自分の頑張りがわかる」というのが私にとってのお金なんだと思います。

       

    著者:幸田夢波

    声優ブロガー。2016年末に事務所を退所後、フリーランスの声優として活躍中。声優業やフリーランスの働き方などを中心にTwitterやブログなどで配信。

      Twitter:@dreaming_wave
      Blog:「幸田夢波のブログ」

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