HOME  お金とわたし「お金は正しく扱わないと失敗する、『危険物』だと言いたい」 株式会社マイエフピー横山光昭氏

お金とわたし
「お金は正しく扱わないと失敗する、『危険物』だと言いたい」 株式会社マイエフピー横山光昭氏

株式会社マイエフピー横山光昭氏

様々なお金の価値観、向き合い方を探る連載企画 『お金とわたし』。

今回は、家計再生と貯金力アップをサポートする株式会社マイエフピーの代表取締役の横山光昭さんにお話しを伺いました。

これまでの人生で知った「お金の怖さ」と「それでも良い道具として使う方法」を教わりました。

お金をコントロールする上では、家計こそ最も大事

–「マイエフピー」という名前はどういう想いでつけられたのですか?

横山光昭さん(以下敬称略):今でもそうですが、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)はお金がある方々を相手にするサービスが多いです。
そのなかで、”My=私の”というイメージで、FPをもっと身近なものにしてほしいという気持ちを込めました。

–世帯年収だと、いくらぐらいのお客さんが多いですか?

横山:今他のファイナンシャルプランナーは、2000万円以上資産がないと相手にしないところもありますが、うちは全くそうではありません。
一般的な独身の方であれば200~300万円代の方もいますし、高い人は2000万とか3000万とかもいます。これはマイエフピーの特徴です。

–事業内容をお聞きしてもいいですか?

横山:一番多いのは個別の家計相談ですね。家計のコンサルティングが一番大きいです。
それに講演やメディアの対応、執筆、書籍関係の監修も大きい柱です。

 株式会社マイエフピー横山光昭氏山光昭氏

横山:例えば、FPとして相談に乗って保険を販売して得られる手数料を収入の軸にしている方も結構多いです。
要は、FPと言いつつ保険屋ですよね。
悪いとは思いませんが、僕は金融商品の手数料で生きてくのが好きじゃないので、そこを軸にはしていません。

–家計のコンサルティングに焦点を絞られたのはどうしてですか。

横山:家計って全ての土台です。例えば「投資をしたい、お金増やしたい」と思っても、土台がないと意味はないですよね。
断片的に保険だけ、投資だけを見るのは良くないと思っています。
つまらないかもしれないですけど、これからお金をコントロールする上では、家計こそ大事なところ。保険や投資だけでは、片手落ちなのです。

杓子定規に「家計簿つけましょう」なんて誰も聞きたくない

–20年くらいFPをされていて、相談に来る人の変化はありますか?

横山:投資を少額でいいから始めたいとか、など「運用」に関する要望は強まっています。
昔は保険の相談が多かったのですが、今の方たちはわりと賢い。
昔は「どうしてそんなに保険を払っているの?」みたいな人たちがいました。…実は、私の母もそうでした。

株式会社マイエフピー

横山:母は今84歳で、「光昭、金をちゃんと貯めなさい。貯まったら郵便局に預けなさい」って言います。間違ってないし、昔はそれで倍に増えました。
でもそれは、一昔前の話ですよね。
今の人は「学資保険には入らなくていいですよね」、「でも現金で置いておくだけでも良くないですよね」と、少しずつリテラシーは上がってきている。
昔とは意識がだいぶ変わってきていると思います。ただ具体的にどうするか、という入り口はまだ広まっていない。

–相談を受ける時に意識されることはなんですか。

横山:その方の考え方に寄り添って、どう考えているのかをまずは知ることです。それから新しい価値観を提供することを意識していますね。
杓子定規に「お金使わないで下さい」「予算決めましょう」「家計簿つけましょう」とか、そんなことは誰も聞きたくない
それよりも、「自分にもできる」と思ってほしいのです。やらなくても良いのですが、「あの時やっとけば良かった」と言っても時間は戻せないので、知った上で判断してほしいですね。

書籍も講演もコンサルが軸になっている

–本を書かれる時は、どういった思いで執筆されていますか。

横山:コンサルが私の全ての軸です

目の前にお客様がいると思って書いています。だから書籍でも講演も、コンサルで皆さんが思い描く疑問や要望をフィードバックしています。
若い男性の方に向けた本なら、最低限知っておいてもらいたいことをピックアップします。そして、ありきたりなことや専門用語は使わないようにします。
金融の専門用語を使って「やっぱ難しいですね~」って言われてしまうのはすごく嫌なので、本でもコンサルでも心掛けています。

 株式会社マイエフピー横山光昭氏

–専門家からすると、ちょっとした専門用語でも伝わらないことがあると思いますが、横山さんから見た一般的な日本人の金融リテラシーは高いと思いますか?

横山:残念ながら高くないと思います。そもそもお金のことを教育されていないから、分からなくて当然です。
日本はクレジットカードの普及も海外より遅れているから、仕組みすら分かっていない人も多いです。リボ払いを「便利で定額でいいね」なんて平気で言っている人もいますから。
なので、最低限の金融リテラシーはあったほうがいいと思いますね。

–これまで執筆したなかで、とくに気に入っている本はありますか?

横山:このお金にまつわるライトノベルですね。「神様が教えてくれたお金の話」という読み物調に書いたものです。

神様が教えてくれたお金の話

2016年だから4年ぐらい前ですが、色が全然違うので個人的には好きですね。

老後2000万円問題、諦める必要はない

—-『人生100年時代』と言われるなかで、お金との向き合い方はどうしたらいいのでしょうか?

横山:今までは人生80年でしたよね。20年間勉強して、40年間働いて、20年間休むっていう80年。
寿命が伸びてる分、今までの20:40:20が20:40:40になるわけですよ。
学ぶのが20年間なのは変わらない。ただ働く期間は40年だったのが45年とか50年になって、それに伴って休む期間も変わってきています。
今までより少し長く働いて、長くなった期間の老後資金をきちっと作っていくことを考えないといけません。

人生100年になったからって諦める必要はないし、やれることは意外とあると思いますよ。働けるなら働く、抑えられるなら支出を抑える、使わないお金は運用していく。
「働く」「支出の意識」「運用」。できることは3つしかないのでバランスよくやっていくしかないですよね。

株式会社マイエフピー横山光昭氏

–「老後2000万円問題」も賛否両論いろいろな意見が出ていますけど、結局どうなんでしょうか。

横山:2000万円は必要だと思いますよ。ただ誰にでも当てはまる話ではありません。
うちのお客さんのなかには、支出が多いから5000万~7000万必要ですよ、という人もいます。

一方、農家をしているお客さんは夫婦で10万円しか国民年金を貰えません。でも、自分で米や野菜を作っていて、周りからもらったりもしている。家のローンも終わっているので、月5万円ぐらいで足ります。

そうなると2000万円も逆にいらない。ケースによって当然違います。

–今の自分のお金の管理というか家計をしっかり把握した上で将来必要になるお金を試算する。それに沿って計画を立てていくことが大事ですね。それができなければ、FPに相談して準備した方がいいのでしょうか。

横山:その通りだと思います。今の生活にいくらかかっているのかわからなければ、老後に何千万円かかるのか分かりません。
ただ、あんまり考えすぎないこと。今できることを愚直にやって、自分の生活はどれぐらいお金がかかっているのか、現状から知ってもらうのがいいと思います。

–いたずらに不安になったり絶望したりする必要はないと。

横山:はい。あと、時間によってお金の価値は変わります。
私たち人間も、会社も、お金自体、今の価値と将来の価値って違うじゃないですか。

若いうちは頑張ればいい、お金がなくてもやってけると思います。
だけど60、70歳になってくると自分の力が衰えてくることを覚悟しておいた方がいい。自分がそのままの稼ぎをキープできる、一生まっすぐ行ける人なんていません。
だから時間を味方につけて、自分の足りない部分を補っていけるといいですよね。

お金は自分の人生や希望を実現するための道具

–最後に漠然とした質問ですけど、「お金」って何だと思いますか?

横山:ちょっと変わった回答かもしれないですけど、「危険物」だと思いますね。

司法書士の事務所で修行していた20代のころに、過払金の請求をやっていました。借金した後に取り戻すことができる場合があって、そういう人を助けていました。
債務整理や自己破産でヤクザに追われて、「私これから変わりたいです」ってボロボロ泣いているような人たちでした。
そういった人でも、例えば300万円の借金がある状態で私達が調査したら借金がなくなって100万円戻ってくることが判明したりします。そんなふうに状況が一気に好転すると、「早くやれ!」って態度が変わりました。

株式会社マイエフピー横山光昭氏

人間の嫌なところですけど、お金がないと人格すら変わってしまう可能性があります。

お金の感覚が合わずに離婚する人も、お金がなくて自殺する人もいる。だから私にとってお金とは、正しく扱わないと失敗する「危険物」です。
良い道具ですが、扱いを間違えると危険ですね。

–正しく扱って欲しいっていうのは、本でもコンサルでも横山さんの根底にあるのでしょうか?

横山:そうですね。お金は自分の人生や希望を実現するための道具なので、使わないとか極端なことではなく、上手く使わないといけない。「共存」といえばよいでしょうか。
自分はこう使いたい、もしくは使いたくない、自分のために使う、人を喜ばせるために使う…いかようにも使えます。
人生の道具ですから、正しく使って良い人生にして貰いたいですね。

–横山さん、今度プライベートで相談させてください!

横山:いつでも来てください。情報はたくさんあるけれど自分に最適化するのが難しいですよね。
そこが私たちの役割です。一般的に良いやり方でも合わない場合もあります。その人それぞれに最適な型があるわけです。
私じゃなくても誰かに客観的に見てもらうのは良いことだと思いますよ。

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