「投資を始めてみたいな。でも失敗しそうで怖いな……」
そう考えている人にお聞きします。あなたは投資のことをどこまで知っていますか?
ほとんど知識がないようであれば、怖いのは当たり前。投資に少しでも興味を持っているのなら、ここで「初心者向けの投資」について学んでみてください。
その上で改めて、投資を始めるか検討してみましょう。
投資が怖い初心者には投資信託がおすすめ
日本人の多くは、投資に対してネガティブな印象を持つと言われています。
なぜ私たちは投資に積極的になれないのでしょうか。それは多くの人にとって投資があまりに未知であるためでしょう。
たとえば投資とひと口に言っても、株や不動産、仮想通貨などさまざまな種類があります。そして種類によって、難しさやリスクの高さは違うものです。
まずは投資にどんな種類があるのかを確認していきましょう。
なお投資初心者におすすめなのは「投資信託」です。投資信託についてはのちほど詳細にメリットを解説しますので、興味のある方はそちらもチェックしてみてください。
実はこんなにもある投資の種類
今回紹介する投資の種類は、こちらの8つです。
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産投資
- iDeco(個人型確定拠出年金)
- 仮想通貨
- FX(外国為替取引)
- 国債
- バイナリーオプション
投資初心者でもわかりやすいように、それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説していきます。
株式投資
メリット | デメリット |
---|---|
・うまくやれば大金をもうけられる | ・少額からの投資には不向き |
・株主優待が受けられる | ・流れを読むことが初心者にはかなり難しい |
株式投資とは、上場企業が発行している株を売買する資産運用方法です。
上手に運用できればもうけも大きく、また企業から特別な商品やサービスを受けられる株主優待も魅力的です。
しかし初期投資額が比較的大きいため、元手が少ない場合には不向きです。
また株式投資でもうけるためには、市場の動きを正確に読まなくてはいけません。
市場の動きはさまざまな情報から予想することになりますが、投資初心者がいきなりやるにはかなり難易度が高いでしょう。
投資信託
メリット | デメリット |
---|---|
・少額から投資できる | ・手数料がかかる |
・プロが運用してくれる | |
・分散投資しやすい |
投資信託とは、企業(または金融機関)に投資資金を預け、運用してもらうタイプの資産運用方法です。
資金を預けたあとは、投資先を決めるところから企業がやってくれるため、初心者でも気軽に挑戦できます。
唯一ネックとなるのは、手数料。手数料は企業によって異なるため、なるべく手数料が低く、利益の大きい企業を選ぶことが大切です。
一般的な投資信託のほか、上場投資信託や株式投資信託といった種類があります。しかし初心者であれば、一般的な投資信託がおすすめです。
(※投資信託についてはのちほどさらに詳しく解説しています)
不動産投資
メリット | デメリット |
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・ローンが組める | ・物件選びが難しい |
・資産扱いになる | ・流れを読みきれない部分も大きい |
・死亡保険や私的年金の代わりに使える | |
不動産投資とは、不動産を購入し、貸し出す資産運用方法です。
不動産の購入には住宅ローンを利用できるため、手元にまとまった資金がなくても運用を始められるのがポイントです。
また資産として扱われることや、死亡保険、私的年金の代わりになるため、万が一のときにも安心でしょう。
しかし不動産投資でしっかりと利益を得ようと思うと、物件選びがとても大変です。空き部屋になる可能性が低い魅力的な立地や設備かなど、情報を精査しなくてはいけません。
そのほか建物が経年劣化すればメンテナンス費用がかかりますし、デフレによって返済金利がアップする恐れもあります。
不動産を購入したらそこで終わりではなく、長年運用していかなくてはいけないことを忘れないようにしましょう。
iDeco(個人型確定拠出年金)
メリット | デメリット |
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・所得税や住民税が減額される | ・原則60歳まで引き出し不可 |
・運用中の利益に税金がかからない | ・手数料がかかる |
・比較的少額から投資できる |
iDeco(イデコ)とは、自分で老後用の資金を積み立てるために行う資産運用方法です。
毎月5,000円からと少額で投資を始められるのは、大きなメリットでしょう。
ただし資金をどのように運用するかは自分で決めなくてはいけないため、その点においては投資信託よりも難易度が高めだといえます。
またあくまで年金型の資産運用方法のため、引き出しが可能になるのは60歳です。途中解約もできません。
仮想通貨
メリット | デメリット |
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・少額から投資できる | ・損失リスクが大きい |
・分散投資しやすい | ・ハッキングリスクあり |
・24時間365日間、取引が可能 | |
・手数料が少ない |
「ビットコイン」をはじめとした仮想通貨とは、デジタルのみに存在し、特定の発行国のない新世代の通貨です。仮想通貨同士の売買を行い、利益を狙う形で投資を行います。
投資信託以上に多くのメリットを持っていて、初心者でもとっつきやすいと感じるでしょう。
しかしその一方で怖いのが、損失リスクの大きさです。仮想通貨の市場は値動きが激しく、上り調子だった通貨がいきなり大幅に下落することもあります。
実際、気軽に仮想通貨に手を出してみて、多額の借金を背負った人の数は少なくありません。初心者向きとは言い難い資産運用方法です。
FX(外国為替取引)
メリット | デメリット |
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・少額から投資できる(レバレッジ) | ・損失リスクが大きい |
・平日なら24時間取引が可能 | |
・手数料無料 |
FXによる資産運用のしくみは、仮想通貨とほぼ変わりません。ただ仮想通貨とは違い、実在するお金(外国為替)を使って運用します。
FXでは「レバレッジ」を使うことで、手元にある資金以上の取引が可能です。
たとえば手元に10万円しかなくても、10倍レバレッジを利用することで100万円分の取引が可能になります。そのため少額で一攫千金を狙うこともできるでしょう。
しかし最終的な利益はレバレッジ分が差し引かれた金額です。つまり最終的に利益がマイナスになった場合には、借金を背負うことになります。
このようなハイリスク・ハイリターンな投資は、やはり初心者向きとは言い難いところです。
国債
メリット | デメリット |
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・リスクが低い | ・リターンは少なめ |
・比較的少額から投資できる | ・税金がかかる |
国債とは、国にお金を貸し、定期的に入る利子によって利益を生み出す資産運用方法です。
破産する恐れのある企業とは違い、国との取引は安全度がピカイチ。1万円から1万円単位で投資できる気軽さも魅力的です。
しかし個人向け国債の利息は0.05%(2020年現在)。そのほかの資産運用方法と比べ、大きな利益は出づらいでしょう。
バイナリーオプション
メリット | デメリット |
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・しくみが簡単 | ・予想が外れると掛金すべて没収 |
・少額から融資できる | ・流れを読むことが初心者にはかなり難しい |
バイナリーオプションとは、相場の上下を二択で選び、予想が的中すれば利益がもらえる特殊な資産運用方法です。
しくみが簡単なうえ、ギャンブル性が高いため、初心者でも楽しんで取り組みやすいでしょう。
しかしバイナリーオプションで大きなもうけを出そうと思うと、市場の動きを確認し、流れを読まなくてはいけません。
少額投資でお遊び程度にやるのであればまだいいのですが、そうでない場合には初心者向きとはいえないでしょう。
投資信託が初心者向けとされる理由、メリット
さまざまな投資の種類を確認してきましたが、なかでも初心者におすすめとされる「投資信託」。
投資信託はなぜ初心者向けなのか、理由は以下の3つです。
少額から投資できる
投資信託は、毎月100円から始められます。(※投資信託を取り扱う企業(または金融会社)によって、最低投資額は異なります。)
そのためまだ資金の乏しい投資初心者であっても、気軽に始めやすいでしょう。
これが投資信託1つ目のメリットです。
プロが運用してくれる
株式投資やFXなどでは、どの株や為替を購入するか選び、市場を逐一確認し、売るタイミングをはかり……と手間も知識も必要です。
一方、投資信託はお金を企業に預けるだけでOK。資金の運用はすべてプロが行ってくれます。
これが投資信託2つ目のメリットです。
分散投資型である
投資信託では、企業が自動的に分散投資を行ってくれます。
分散投資とはその名前のとおり、ひとつの株式や不動産に投資するのではなく、複数に投資することです。
分散投資をすればひとつの投資先で損失が出ても、ほかでカバーできるため、リスクを低減できます。
これが投資信託3つ目のメリットです。
投資が怖い初心者向けのQ&Aまとめ
投資への怖さが払拭できるよう、投資初心者が抱きがちな疑問をQ&Aでまとめてみました。
Q.貯金してたほうが安心な気がするんだけど、投資を始めるべきなの?
A.長いスパンで見ると、投資のほうが安心だといえます。
1年や2年といった短期間であれば、貯金はリスクなく、安全です。
しかし何十年先を考えた時、貯金だけでは心もとないでしょう。なぜなら今後も物価は必ず上がるためです。
これまでの物価変動から考えても、100万円の価値が何十年先には今の数万程度に落ち込む恐れがあります。
このようにお金の価値は、不変ではありません。未来に備えるのであれば、貯金だけでなく投資にも目を向けるべきでしょう。
Q.大損するリスクが怖い……失敗しない心得ってある?
A.情報収集を心掛けましょう。何事も面倒くさがると命取りです。
個人でも気軽に投資を始められる現代ですが、投資の世界はデータが物をいう世界です。
勉強することを面倒くさがり、ギャンブル感覚や勘を頼りに運用していては、いつかどこかで大損します。
はじめの内は少額でやりくりし、少しずつ慣れていきましょう。
Q.投資信託商品はぼったくられることがあるって本当?
A.残念ながらあります……。商品選びには細心の注意を!
投資信託を始めようと思ったなら、自分で情報を集めるのが一番です。銀行や証券会社の窓口で案内を頼むことは避けましょう。
もちろん本当に良い商品を勧めてくれるケースもあるでしょう。しかし手数料が大きく、投資者の得が少ない商品を勧められるケースも少なくありません。
Q.投資信託会社が倒産したらどうなるんですか?
A.投資額は返ってきますので、安心してください。
法律や制度によって、投資額は保障されるよう定められています。
Q.金融とか経済とか成績悪かったんですけど、今更勉強したくなくてもできますか?
A.最低限の勉強で済ませたいのであれば、投資信託がおすすめです。
できれば知識を身につけることをおすすめしますが、投資信託であればプロに運用を丸投げできます。
Q.絶対に損しない投資ってありますか?
A.絶対はありませんが、国債は比較的安心です。
ただし安心である代わりに、大きな利益は出しづらいのが特徴です。
Q.周りで投資やってるって聞いたことないんですけど?
A.日本では投資家がまだまだ少ない現状です。
日本人はリスクを嫌う傾向にあるためか、投資家の数が海外と比べてかなり少ないといわれています。
しかし近年になって「老後資金2,000万円問題」をはじめとしたニュースの影響もあり、投資を始める人が増えているそうです。(特に若年層)
Q.NISAやつみたてNISAって何?
A.投資によって得た利益にかかる税金が免除になる制度です。
NISA口座を使って投資を行うことで、制度の対象となります。
さまざまな銀行が「NISA口座」を用意しているため、好みの銀行にて開設して利用しましょう。
投資が怖いなら投資信託からはじめよう
投資に関して、少しでも不透明な部分は減ったでしょうか。また少しでも怖さは払拭されたでしょうか。
しかし投資で一番怖いのは、気が大きくなって、なんとなくや勘で資産を運用することです。
投資は慎重さが大切ですので、今持っている怖いという感覚は貴重。その怖さを忘れることなく、しかし勇気を出して、まずは投資信託から始めてみましょう。