
この記事は、「NISAの非課税はいつまでか知りたい!」という人に向けて書きました。
NISAは購入した商品がいくら値上がりしても、非課税期間内に売却すれば、税金は一切発生しないという大きなメリットがあります。
よって、NISAの非課税期間はいつまでか知っておくことは非常に重要です。
そこでこの記事ではNISAの非課税期間を、「一般NISA」・「つみたてNISA」・「ジュニアNISA」に分けて丁重に解説しています。
また、「新NISA」についてや非課税期間の注意点、終了したあとの対応などもお伝えしています。
一般NISAの非課税期間はいつまで?
つみたてNISAの非課税期間はいつまで?
ジュニアNISAの非課税期間はいつまで?
NISAの非課税枠にはこんな注意があるので要確認
NISAの非課税期間が終わったらどうなる?
新NISAの非課税枠は仕組みが変るので確認しておこう
一般NISAの非課税期間はいつまで?

一般NISAの非課税期間は投資商品を購入してから「最長5年」です。
たとえば、2020年に投資した場合ですと2025年までが非課税期間になり、2022年に投資した場合は2027年までが非課税期間になります。
一般NISAの投資期間は「2023年まで」ですので、最長2028年まで非課税で運用可能です。
2023年で現行NISAは終了。「新NISA」になる
2023年で現行NISAは終了して「新NISA」がスタートします。
新NISAの投資期間は「2024年から2028年まで」なため、非課税期間は「最長2032年まで」です。
なお、2019年以降に現行の一般NISA口座を開設した人は、2024年になると自動的に新NISAに移行します。
特別な手続や書類などは不要ですので安心してください。
ロールオーバーをすれば非課税期間の延長が最長5年できる
一般NISAには「ロールオーバー」という非課税期間の延長方法があります。
ロールオーバーとは、新しいNISA口座を開設して、現状のNISA口座の保有商品を新たな非課税枠に移すことを指します。
たとえば、最後に投資したのが2017年の人は2022年に非課税枠が終了しますが、2023年でもNISA制度は継続中なため、新たなNISA口座の開設が可能です。
よって、次のようにできるため非課期間を5年延長できるのです。

このため、ロールオーバーをすれば非課税期間が「5年+5年=10年」となり、最長10年にすることが可能です。
2018年までの投資分については2回目のロールオーバーが可能
「従来のNISA→新NISA」という形のロールオーバーもできるため、2018年までの投資分については2回目のロールオーバーが可能です。
たとえば、2017年に投資した分については、ロールオーバーすると2028年まで運用できます。
2028年であれば、新NISAの口座を開設できますので、新NISAの口座を開設してロールオーバーすれば、そこからさらに5年の非課税枠が適用になります。
よって、このケースですと2032年まで非課税で運用が可能です。
このようにすれば、非課税期間を最長で15年の延長が可能です。
ただし、2回目のロールオーバーができるのは2018年までの投資分までと知っておきましょう。
2019年以降に投資した分は自動的に新NISAに移行するため、この方法はつかえません。
また、レバレッジを効かせている投資信託、上場株式のうち整理銘柄・管理銘柄は新NISAで扱えないため、ロールオーバーができません。
つみたてNISAの非課税期間はいつまで?

つみたてNISAの非課税期間は投資商品を購入してから「最長20年」です。
2020年8月現在、つみたてNISAは2037年まで投資できますので、最長で2056年まで非課税になります。
制度変更により投資期間が2037年→2042年に5年延長
つみたてNISAの投資期間は「2037年→2042年」に延長される予定です。
非課税期間が20年という点は変わりありませんので、最長2062年まで非課税で保有可能になります。
ジュニアNISAの非課税期間はいつまで?

ジュニアNISAの非課税期間は投資してから「最長5年」です。
ジュニアNISAの投資期間は2023年までですので、「最長2028年まで」非課税にできます。
ジュニアNISAは2023年で終了する
ジュニアNISAは2023年で終了すると知っておきましょう。
このため、ジュニアNISAの口座開設や投資商品の購入ができるのは2023年までです。
20歳になるまで引き続き非課税で保有可能
ジュニアNISAの非課税期間は投資してから最長5年ですが、20歳未満の人はこの条件に当てはまりません。
20歳になるまで引き続き非課税の対象です。
20歳未満であれば5年を超えても非課税になるため、投資商品の調子が良いなどの状況次第ではそのまま保有するのもありです。
成人なら通常のNISAにロールオーバーすることができる
ジュニアNISAを利用中の人が満20歳になると、一般NISA口座が自動的に開設されます。
この一般NISA口座に、ジュニアNISAで運用中の商品をロールオーバーすることが可能です。
何もしないでいると課税口座に移ってしまうため、そのまま運用したい場合はロールオーバーの手続きをしておきましょう。
そうすれば非課税期間が5年延長されます。
ただし、つみたてNISAへのロールオーバーはできないので気をつけてください。
NISAの非課税枠にはこんな注意があるので要確認

NISAの非課税枠には次のような注意点があるため、確認しておく必要があります。
- 枠の再利用はできない
- 非課税枠の繰越しはできない
- 年末に売却すると翌年の非課税枠を使ってしまうことがある
- ロールオーバーは非課税枠を使用する
それではそれぞれの注意点を確認していきましょう。
非課税枠の再利用はできない
一度利用した非課税枠の再利用はできません。
例を上げれば、50万円の非課税枠を利用しており、その50万円分を売却したとします。
そうすれば、売却した50万円分の非課税枠が回復すると考える人もいるようですが、そうはなりません。
非課税枠は新規投資分にしか適用にならないからです。
なお、1年間に非課税が可能な金額はNISAの種類ごとに次のとおりです。
NISAの種類 | 非課税投資枠 |
---|---|
一般NISA | 年120万円(2015年以前は100万円) |
つみたてNISA | 年40万円 |
ジュニアNISA | 年80万円 |
非課税枠の繰越しはできない
非課税枠が余ったとしても翌年への繰越しはできません。
たとえば、一般NISAであれば非課税枠は120万円ありますが、このうち80万円を使用したとしましょう。
そうすると40万円の非課税枠が余ります。
しかし、この40万円の非課税枠は翌年に繰越しはできないと覚えておきましょう。
年末に売却すると翌年の非課税枠を使ってしまうことがある
本年度の非課税枠を使用するには、その年の12月27日までに「受渡日」がくるようにしなくてはいけません。
受渡日とは、金融商品が決済される日のことを指します。
「約定日」と間違えてしまう人がいるので注意しましょう。
約定日は売買が成立した日のことであるため、まだ決済が完了していません。
約定日が年内であっても場合によっては、受渡日が翌年になってしまうケースがあります。
そうなると、翌年の非課税枠を使ってしまうことになります。
よって、年末に売却する際は受渡日が12月27日までになるようにしましょう。
受渡日は商品によって違いますが、約定日から「2~4営業日」というのが一般的です。
ロールオーバーは非課税枠を使用する
一般NISAの年間投資額上限は「120万円」となり、非課税の対象となるのは120万円の投資額の範囲内ででた利益分までです。

ロールオーバーする際は上記の枠を使うことになります。
そのため、ロールオーバーをする金額が120万円を超えていると、非課税枠をいっぱいまで使ったと見なされてしまい、その年の非課税枠は利用できません。
たとえば、購入した商品が値上がりしており、150万円になっているとしましょう。
150万円全額をロールオーバすることは可能ですが、そうするとその年の非課税枠をすべて使ったことになってしまい、来年になるまで非課税枠が利用できなくなるのです。
ただし、ロールオーバーをする金額が120万円に満たない場合は残りの金額が非課税の対象になります。
たとえば、ロールオーバーをする金額が60万円である場合は、「120万円-60万円=60万円」となり、その年は60万円までの投資分が非課税の対象です。
NISAの非課税期間が終わったらどうなる?

NISAの非課税期間が終わった場合は次の3つの選択肢があります。
- 売却
- 課税口座に移管
- ロールオーバー
どれが良いかはあなたの状況によってきますので、次章の解説を参考にしてください。
利益がでていれば売却してお金にするのもおすすめ
非課税期間が終わるころに満足な利益がでているなら、売却してしまうのがおすすめです。
また、現金が必要な人やつみたてNISAに変更したい人なども、売却を考えて良いかと思います。
なお、実際に売却する際は非課税期間が終わる前にしたいです。
そうすれば、税金がかからずほぼすべての金額が受取れます。
元本割れしているなら課税口座に移管して運用するのも手
「非課税期限の切れる年に暴落があり、元本割れしてしまった・・・」このような場合、課税口座に移管して相場が回復するまで運用するのも手です。
売却しない限り税金は発生しないからです。
ただし、口座の維持手数料や運用費用などは発生するので注意です。
課税口座に移管するのに特別な手続は必要ありません。
何もしなければNISAの非課税期間が終了とともに、自動的に課税口座へ移管されます。
一般NISAならロールオーバーも可能
「もう少し非課税で運用を続けたい」という一般NISAの利用者なら、ロールオーバーをすると良いでしょう。
ロールオーバーすれば、非課税期間が最長5年延長されます。
このため、ロールオーバー前と合わせて最長10年非課税で運用できます。
新NISAの非課税枠は仕組みが変るので確認しておこう

何度かお伝えしているように、一般NISAは2023年で終了し、2024年からは「新NISA」になります。
これから一般NISAをはじめる人や2019年以降に投資した分は、自動的に2024年に新NISAに移行するため、非課税枠がどのように変るのか確認しておきましょう。
新NISAの非課税枠は2階建てになる
新NISAの非課税枠はこれまでの一般NISAと仕組みがことなり、次のように変ります。
新NISAは上記のように非課税枠が2階建てになります。
原則1階部分の枠を利用しないと2階部分を使うことはできません。
1階部分は「つみたてNISA」になり、金融庁の基準をクリアした投資信託を積立という形で購入していきます。
2階部分は現行の一般NISAの対象商品(レバレッジを効かせている投資信託、上場株式のうち整理銘柄・管理銘柄は除く)が購入できます。
購入方法は積立か一括を好きに選べます。
このため、新NISAの非課税枠は「つみたてNISA+一般NISA」という感じになると思ってもらえればOKです。
なお、非課税期間についてはこれまでとおなじで投資をしてから最長5年です。
1階部分はすべて使わなくもOK
1階部分の非課税枠は年20万円ですが、この20万円は全額使わなくても2階部分の利用は可能です。
少額でも1階部分の対象商品に積立設定をおこなえば、2階部分を利用できるようになります。
2階部分だけ投資する方法もある
一般NISAを利用していた人や上場株式などの投資経験者は、2階部分だけ投資することも可能です。
ただし、2階部分だけで投資すると個別株しか購入できなくなります。
株式投信やETF、REITなどの購入はできないので注意です。
また、年間の投資額が102万円までと、1階部分を使うとき(年122万円)よりも減ってしまいます。
まとめ
■一般NISAの非課税期間
非課税期間は投資商品を購入してから「最長5年」
2024年から「新NISA」になり、投資期間が2028年までになるため、「最長2032年まで」非課税にできる
ロールオーバーをすれば非課税期間の延長が最長5年可能
■つみたてNISAの非課税期間
非課税期間は投資商品を購入してから「最長20年」
投資期間が「2037年→2042年」に延長される予定なので「最長2062年まで」非課税で保有可能
■ジュニアNISAの非課税期間
非課税期間は投資してから「最長5年」
投資期間は2023年までなので「最長2028年まで」非課税になる
投資期間を過ぎても20歳になるまで引き続き非課税で保有できる
成人なら通常のNISAにロールオーバーして、非課税期間を5年延長することが可能
3つのNISAの非課税期間をまとめると上記のとおりです。
NISAの非課税期間には「再利用できない」・「来年に繰越しは不可」などの注意点もあるので今回の記事で確認しておいてください。
また、一般NISAは2024年から新NISAに移行しますので、どのように変るかも当記事で確認してもらえればと思います。