
この記事は「老後破産」が不安な人に向けて書きました。
最近、老後破産という言葉が良く使われるようになり、老後に破産してしまうことを不安に思う人が多いようです。
そのため、下記のような点を知りたい人が多いかと思います。
「老後破産している人はどれくらいいるのか?」
「なにが原因で老後破産してしまうのか?」
「年金だけでは防止できないのか?」
「有効な対策方法はないのか?」
そこでこの記事では老後破産の原因や対策などを解説します。
当記事ひとつで老後破産について詳しく知ることができ、有効な対策方法がわかるため、老後破産の不安を無くすことができるようになります。
老後破産の割合はどれくらいか?調査してわかった衝撃の結果
老後破産するとこうなる!悲惨な現実
老後破産する原因はこの5つ!危険なのはこんな人
年金だけでは収支が赤字になる!老後破産は避けられない
老後破産の対策は「投資信託」がおすすめ
老後破産の割合はどれくらいか?調査してわかった衝撃の結果

老後破産の人がどれくらいいるかを示した詳しいデータは見つかりませんでした。
ただし、「下流老人」ほど老後破産の危険が高いとされています。
下流老人とは、一般的に預貯金などの金融資産が500万円未満の高齢者世帯のことです。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査〔二人以上世帯調査〕(2015年)」によると、60代以上で金融資産が500万円未満の世帯は4割を超えるというデータがあります。
よって、半数近くが下流老人であるのです。
このため、老後破産の危険がある人はかなり多くいることになり、決して人ごとではありません。
老後破産するとこうなる!悲惨な現実

老後破産すると次のような悲惨な現実が待っています。
- 多重債務者になる
- 持家を失う
- 債務整理しなくてはいけなくなる
- 生活保護に頼るしかなくなる
そのため、せっかくのセカンドライフが台無しになってしまいます。
多重債務者になる
老後破産すると生活費や住宅ローンなどの支払いが厳しくなるため、借金に頼らざるを得ない状況になります。
その結果、借金を繰り返し「多重債務者」になることもあります。
持家を失う
老後破産によってお金が無くなると、持家を売ってお金にしなくてはいけない状況も生まれやすいです。
せっかく購入したマイホームを失うことになり、子供や孫に残せなくなります。
債務整理しなくてはいけなくなる
老後破産の状態になり、住宅ローンや借金などの返済ができなくなると「債務整理」しなくてはいけなくなることもあります。
完全に返済不能になった場合は「自己破産」が必要になり、自己破産すると「資産の差し押さえ」などのペナルティを受けます。
また、利用中のクレジットカードの契約を更新してもらえない可能性も覚悟しなくてはいけません。
生活保護に頼るしかなくなる
老後破産になり本当に困窮した状態なると、「生活保護」に頼るしかなくなります。
生活保護を受けると、所有できるものや生活の仕方に制限がかかり非常に不便です。
たとえば、車の所有ができなかったり、引越しをしなくてはいけなかったりするケースがあります。
また、クレジットカードやローンの利用も原則禁止です。
老後破産する原因はこの5つ!危険なのはこんな人

老後破産してしまう原因はおもに次の5つであるとされています。
- 退職後も住宅ローンが残っている
- 貯金がない
- 医療や介護費用がかかる
- 子供に関する費用がかかる
- 生活レベルを落とせない
上記にひとつでも当てはまる場合は老後破産の予備軍であるため、しっかりと詳細に目を通して置いてください。
退職後も住宅ローンが残っている
退職後に住宅ローンの返済が残っている人は危険な状態です。
住宅ローンの返済はかなりの負担になることが多く、退職後も住宅ローンの返済があると、年金や預貯金などを返済に使わなければいけない状況が生まれやすいです。
その結果、老後の生活費に使うためのお金が無くなってしまい老後破産になることがあります。
貯金がない
貯金がないと年金だけで生活していかないといけないため、まとまったお金が必要になると対応できません。
病気や怪我などでまとまったお金が必要になると、あっという間に老後破産してしまいます。
医療や介護費用がかかる
高齢になると病院を利用する機会が増え、医療費もその分だけかかります。
また、介護が必要になった場合は介護費用も発生します。
それらの費用は公的保険だけでは対応しきれない場合もあるため、老後破産の原因になりやすいです。
子供に関する費用がかかる
近年は出産の晩年化が進んでいる傾向にあり、定年後も子供が高校生や大学生というケースも少なくはないです。
教育費用は非常に大きな出費となりますが、定年後には収入がないのが一般的なため、年金や貯蓄から捻出しなくてはいけません。
その結果、年金や貯蓄が尽きてしまい老後破産してしまうこともあります。
生活レベルを落とせない
定年後は現役のときよりもお金に余裕がなくなるため、生活レベルを落とさなくてはいけません。
それにも関わらず、生活レベルを落とせないでいると、あっという前にお金が無くなってしまうことがあり、老後破産に繋がることがあります。
年金だけでは収支が赤字になる!老後破産は避けられない

「老後は年金がもらえるから老後破産はなんとか回避できるのは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、年金だけでは収支が赤字になる可能性が高いです。
実際に総務省の調査でも年金だけでは収支が赤字になるというデータがあります。
総務省の2018年度「家計調査」によると、「高齢者無職世帯(夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)」の実収入と支出の平均は次のとおりです。
支出:26,4707円
実収入が「222,834円」なのに対し、支出は「26,4707円」であるため、「41,872円」が不足しているというデータがあるのです。
このため、年金だけ生活していくのは非常に難しいのです。
年金で足りない分に関しては、預貯金などの資産でカバーしていくことになりますが、資産があまりない人はいずれ資産が尽きてしまう可能性があります。
そうなると年金の赤字分に対応することができず、やがては老後破産に陥ってしまいます。
年金は若い世代ほど「納め損」になるというデータもある
年金には「世代間格差」というものがあり、若い世代ほど「納め損」になりやすいと言われています。
以下の表のとおり、「納めた年金に対して得られる年金」は世代によって大きく違うというデータがあるのです。
生年 | 納めた年金に対して得られる年金 |
---|---|
1940年 | 3,100万円 |
1945年 | 1,760万円 |
1950年 | 780万円 |
1955年 | 250万円 |
1960年 | -200万円 |
1965年 | -590万円 |
1970年 | -970万円 |
1975年 | -1,290万円 |
1980年 | -1,610万円 |
1985年 | -1,880万円 |
1990年 | -2,120万円 |
1995年 | -2,2290万円 |
2000年 | -2,420万円 |
2005年 | -2,510万円 |
※データ参照元「だまされないための年金・医療・介護入門」(鈴木 亘著/東洋経済新報社刊)
表をご覧のとおり生まれた年が早いほど、納めた年金に対して得られる年金は多くなります。
しかし、生まれた年が遅くなるほど、納めた年金に対して得られる年金は少なくなり、納め損の状態になるとされているのです。
そうしたことからも年金を当てにしすぎるのは危険です。
老後破産の対策は「投資信託」がおすすめ

ここまでお伝えしたように、老後破産は決して他人ごとではなく、その可能性が多くの人にあるのです。
そのため、今から対策をしておく必要があります。
そこでおすすめなのが「投資信託」です。
投資信託とはこんな金融商品
投資信託とは、投資から集めたお金をひとつの資金として、「ファンド(金融商品の運用会社)が運用し、その運用益を投資化に還元する金融商品です。
そんな投資信託には次のようなメリットがあります。
- 運用をファンドに任せられるため、初心者でも取り組みやすい時間や手間もかからない。
- 分散投資なので暴落時の損失を最小限に抑えやすい。
- 会社によっては100円単位で取引できるため、多額の資金は不要
- 資産運用なので副業禁止の会社でも気にすることなく取り組める
- 税率が「20.35%」なので副業よりもお得になることがある
とくに運用をファンドに任せられるという点が魅力です。
金融商品の運用は「難しい」・「面倒くさい」といった面があり、時間がない人や知識がない人には手が出しにくいです。
しかし、投資信託であれば運用をファンドに丸投げできるため、時間がない人や知識がない人でも気軽に投資ができるというメリットがあります。
iDeCo(イデコ)で運用して個人年金にするのもおすすめ
投資信託を「iDeCo(イデコ)」で運用するという手もあります。
iDeCoとは、正式名称を「個人型確定拠出年金」と呼び、国が設立した「個人型年金制度」になります。
個人型年金という名のとおり、自分で掛金を決めて毎月積立ていき、60歳以上になったときに年金として受取るという仕組みです。
そのため、投資信託をiDeCoで運用すれば将来受取れる年金が次のように増えます。
- 国民年金のみの人=国民年金+iDeCo
- 国民年金と厚生年金の人=国民年金+厚生年金+iDeCo
また、iDeCoには「掛金が全額所得控除」になるという大きなメリットもあります。
よって、掛金を積立てた分だけ所得税と住民税が減ります。
つみたてNISAで運用するのもあり
投資信託の中には「つみたてNISA」の対象商品もあるため、つみたてNISAで運用しても良いでしょう。
つみたてNISAとは、毎年40万円までの非課税枠があり、その枠の範囲内であれば投資してから20年間は非課税になるという制度です。
投資信託の売却時には「20.35%」の税金がかかります。
それに対してつみたてNISAで運用しておければ、非課税枠の範囲内であれば投資した商品がいくら値上がりしても税金ゼロで売却できます。
このため、税金面で非常にお得になるというメリットがあるのです。
まとめ
老後に破産する可能性のある人は意外と多く入るため、老後破産は他人ごとではありません。
とくに次のような項目に当てはまる人ほど危険とされているので注意したいです。
- 退職後も住宅ローンが残っている
- 貯金がない
- 医療や介護費用がかかる
- 子供に関する費用がかかる
- 生活レベルを落とせない
老後破産になると、多重債務になったり、持家を失ったり、正確保護者になってしまったりと悲惨な状態になります。
年金だけでは老後破産を回避するのは難しいため、今から対策しておかなくてはいけません。
そこでおすすめなのが「投資信託」です。
投資信託なら投資のプロに運用を任せながら、堅実に資産を形成していくことができます。
「iDeCo」や「つみたてNISA」の対象商品もあるので、それらで運用するのもおすすめです。